アメリカ 1型糖尿病 観察記

アメリカ在住、日本生まれ、日本育ち、1型は友だち

(更新)人体実験1回目ー2-低血糖時はCGMを当てにしてはいけない

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この血糖値の差!同じ時間なのにCGM(持続血糖測定)*1では血糖値50(右)で、指先では102(左)と、50以上の差があります!

 

以前の記事でCGM(持続血糖測定)の血糖値は指先の血糖値より遅れて値が出てくる話をしました。 

us1dm.hatenadiary.com

 

人体実験で、CGMについてほかにもわかったことがありました。

今回は、CGMの数字を当てにしないように気を付けよう。特に低血糖(血糖値70以下*2の)時は。という話です。

 

結論から言うと

低血糖のときはできるだけ血糖測定器を使って指先の血糖値を測るほうが良いです。

という例を以下にご紹介します。

 

これは先日、私が人体実験をした時の血糖値の数字の記録です。血糖値はCGM のみの数字を使用しています。

 

ちなみに、健康な人の血糖値の範囲は、80-140くらいです。上下、60くらいの範囲です。この範囲を下回ると低血糖、上振れると高血糖でどちらも良くありません。*3

 

インスリンについては、膵臓から出ていて血液中の糖質をエネルギーとして取り込むのに使われるホルモンです。

常時一定量が分泌されていますが、食事などで血液中の糖質が増える(血糖値が高くなる)とインスリンの分泌量も増えます。

こうやって体内で適正なインスリン量を調整してくれることにより血糖値が正常な範囲(80-140)に収まっています。

 

しかし1型、2型の糖尿病のある人はインスリンが出ないか、でても量が少なすぎるので血糖値を正常な範囲(80-140)に収めることができません。

人によって血糖値800とか900とかの高いときもありますし、低いと血糖値35なんてこともあります。

したがって、1型、2型糖尿病の人は、インスリン製剤を使い、その量を自分で調整して体内へ入れたり、または他の薬•方法などで、血糖値が正常な範囲になんとか収まるように努力しなくてはいけません。

 

前置きが長くなりました。

 

さて実験結果です。

 

当日の夜

09:32 インスリン6.06単位を打って、(血糖値168、炭水化物47gでした)

09:45 サラダ、納豆、焼き魚 を食べ始め

10:00 ご飯100g を食べました。

血糖値は以下の通りです。

10:32 血糖値63

10:47 血糖値92

11:31 血糖値77

11:34 血糖値86

12:09 血糖値62 →糖質を補食

12:28 血糖値43

12:57 血糖値LOW*4

01:18 血糖値50

でした。

 

【概要】

(前回入れたインスリンを入れた時間から3時間が経過しているかいないかの場合でした)インスリン投与後30分で血糖値63ですので、これは炭水化物を食べるには遅すぎました。

インスリン投与1時間半後(食後1時間)で最大血糖値92となりました。

その後血糖値は上がったり下がったりして

インスリン投与後2時間半後(食後2時間)で低血糖となってから

インスリン投与後3時間半後(食後3時間)まで下がり続けました。

 

とここまでCGMのデータだけなので、これに指先の血糖値の値を付記します。

 CGM と指先の血糖値の値の差は少なければ少ないほど好ましいです。

 

09:32 インスリン6.06単位を打って、(

    血糖値168(CGM)/ 血糖値154(指先)、炭水化物47gでした)

10:32 血糖値63(CGM) / 血糖値92(指先)

10:47 血糖値92(CGM) / 血糖値114(指先)

11:31 血糖値77(CGM) / 血糖値115(指先)

11:34 血糖値86(CGM) / 血糖値99(指先)

12:09 血糖値62(CGM) / 血糖値78(指先) →補食

12:28 血糖値43(CGM) / 血糖値53(指先)

12:57 血糖値LOW*5CGM) / 血糖値82(指先)

01:18 血糖値50(CGM)/ 血糖値102(指先)

 でした。

 この9回の記録のうち、血糖値の正常範囲(80-140)に入っていた回数はCGMでは2回のみ、指先の血糖測定では6回でした。

 

おいおい、、って正直な感想です。

 

血糖値管理のために、できればこの2種類の血糖値はいつも同じ数字であって欲しいのですが、、、

どうもうまくいかないようですね。。

 

一番最初からみてみると、

インスリンを打つタイミングですでにCGMと指先で10以上の血糖値の差が、、

 

これは前にインスリンを打ってから ちょうど3時間経ったくらいの時間だったため、前回のインスリンがまだ効いていた現れだと思います。

(私のインスリンは約3時間効き続けます)

血糖値が下がり続けているのを反映して、指先の血糖値はCGMの値より低くでています。

 

10:32 血糖値92(指先)、15分後の血糖値92(CGM)で同じ数学となっています。

私の場合、指先から15分ほどCGMの血糖値は遅れてくることがわかります。

 

またこのように時間差があるので当然ですが CGMと指先の血糖値は各時間で10~50ほど開きがあります。

15分で血糖値が最大50も違っていたということでしょうか。。

しかし、これは血糖値を図る場所、間質液と血管の差もあるかな???と

(間質液と血管の血糖値の差については以前の記事*6をご参照ください。)

 

12:09 血糖値62(CGM)で低血糖でしたが、指先の血糖値は78で低血糖ではありませんでした。

ただし、この時間に、CGMでは血糖値の下降傾向がみられました。

また、インスリンポンプに表示された体内の有効なインスリンの量がまだまだあったので、まだ血糖値は下がり続けると判断し糖質を補食しました。

 

補食後 糖質の吸収が始まるまでは血糖値は下降し続け、20分後 12:28 血糖値43(CGM) / 血糖値53(指先)でした。

 

補食20~50分後 糖質の吸収が始まっているはずですが

この間CGMの血糖値は40以下で画面上では血糖値は横ばいのままでした。


が、指先では50分後の血糖値82で正常範囲に戻っていました。

 

補食60分後 血糖値50(CGM)/ 血糖値102(指先)でした。


50以上も差があります。


血糖値40と50も、60と70も血糖値が10違うだけですが、深刻さは全然違います。。


その後もCGMでは10以内の血糖値の上昇を5分ごとに記録し続けました。。補食75分後のCGM血糖値は58くらいだったので、、理論値の102からは程遠いですね。


指先の血糖値は充分に回復していたのに、横ばいのままあがらなかったCGMを信用して補食を続けたら糖質を取りすぎてしまい、高血糖になるところでした。

 

なんにも体の機構などの知識がない者の考えですが、

この血糖値が低血糖状態で横ばいだったり、下降傾向の時のCGMについて、、


血管内の糖質の濃度が低く間質液にまで糖がいかないせいで、

間質液中の糖の濃度が下がりすぎていたり、下がったままになり、

指先の血糖値は上がっているのに、

なかなかCGMの値は上がってこないことがあるのではないか?と思いました。

 

シンプルに

CGM自体が血糖値40以下になるとLow表示になって変化がわからないことがCGMの値が上がってこないようにみえる原因の一つになっていることはありますけども。


なんにせよ、この場合に今まではCGMをあてにしていました。。

 

こんな事が起こってたんですねーーはぁ。


なかなかCGMの値が上がってこないので、ずっと補食し続けて後からとんでもなく高血糖になったりしていました。

 

これを早く知っていれば、、低血糖高血糖の繰り返しで悪夢のような精神状態に陥るのを何回避けられたことか。。。。。と思いました。

 

というわけで

低血糖の補食の際には血糖測定器をつかって補食の必要を確認してみるのがベターですね。

 

さて、以上の指先の血糖値の変化を踏まえて概要を変更しました。

 

下線部は追記したところ。打ち消し線は削除したところです。(テキトーです。)

 

変更後の概要】

前回入れたインスリンを入れた時間から3時間が経過しているかいないかの時間は、まだインスリンの影響を受けていて血糖値が下がってきている段階でした。この場合、インスリン投与後30分で炭水化物を食べるのは遅すぎ、血糖値が下がりすぎている場合がある。(今後は”インスリン投与後15分後くらいに炭水化物を食べる”で試そうかと思います)

インスリン投与1時間半後(食後1時間)で血糖値は、あがってその後血糖値は上がったり下がったりして

インスリン投与後2時間後(食後1時間半)に血糖値の低下傾向がみられた。*7インスリン投与2時間後に補食すれば低血糖を防げたと思います。))

インスリン投与後2時間半後(食後2時間)指先の血糖値は78で低血糖ではありませんでしたが引き続き血糖値の低下傾向にあったので、低血糖となり、 補食しました。だが間に合わずその後、インスリン投与後3時間後(食後2時間半)で低血糖となりました。

インスリン投与後3時間半後(食後3時間)まで下がり続けましたには回復しました。

 

 ということで、色々と書きましたが、以上、

 低血糖時については間質液と血管の血糖値の乖離が激しくなる傾向があるかとおもうので、

CGM でのチェックだけでなく

血糖測定器を使った低血糖の確認で

補食のタイミングを見極め高血糖を避けることが必要です。

という話でした。

  

ふう、、長くなってしまいました。

お読みいただきありがとうございました。

それでは、今日はこの辺で。また。

*1:CGMは持続血糖測定(Continuous Glucose Monitoring)の略称で、一定の間隔で継続的な血糖測定が可能となる。CGMを用いることで、これまで測定が難しかった血糖値の変動を把握できるようになり、より適切な治療方針が期待できる。出典:糖尿病リソースガイド

*2:低血糖とは、糖尿病を薬で治療されている方に高い頻度でみられる緊急の状態です。

一般に、血糖値が70mg/dL以下になると、人のからだは血糖値をあげようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。その時にでる特有の症状を、低血糖症といいます。人によっては、血糖値が70mg/dL以下でなくても治療などによって血糖値が急激に大きく下がることでも、低血糖症状がでることがあります。逆に、血糖が70mg/dLより低くなっても、症状が出ない方もいますので注意が必要です。出典:糖尿病情報センター

*3:正常な血糖値の範囲:空腹時血糖…70~109mg/dl、食後2時間血糖…140mg/dl未満。この範囲を超えて、通常、空腹時血糖値が126mg/dl、あるいは食後血糖値が200mg/dlを超えると糖尿病と診断されます

*4:血糖値40以下

*5:血糖値40以下

*6:

 

us1dm.hatenadiary.com

 

*7:そのため、糖質をとる補食量を計算し、(いろいろと考えていたらおそくなって((計算式から捕食する量を割り出しました。これについて、次の機会に書こうと思います