アメリカ 1型糖尿病 観察記

アメリカ在住、日本生まれ、日本育ち、1型は友だち

1型糖尿病治療の渡米前の不安と準備したこと

お久しぶりです。

  

今日の記事は

私が渡米前にアメリカでの1型糖尿病治療の何に不安に感じて、

何を問い合わせたり、準備したりしたか、

その結果はどうだったか、です。

 

私の数年前の経験かなり薄れた記憶ですが、何か参考になると嬉しいです。

 

 

渡米前、私はアメリカの糖尿病治療は最先端で、

日本よりも10年進んでいる

と聞いていましたので

治療内容自体には期待をしていました。

 

ただし、日本から出たこともない私が初めて住む異国の地、、以下のような不安も大きかったです。

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1. 治療費の額

アメリカは国民皆保険の日本とは違い、

自分で医療保険を選んで払う国、

しかも保険も治療費も高額

と聞いていましたので、、

まぁまともに払えないだろうと、最初から渡米は不可能だと思っていました。

 

2. 治療してくれる医師

日本でかかりつけの糖尿病専門医からのアメリカの医師の紹介は無理でした。

 

これから自分でアメリカで先生を探すことになり、

一般の内科にかかるのか、

専門医はいるのかとか、

アメリカでどんな医師にかかれば良いのか、全くわかりませんでした。

 

3. 英語

医師との英語のやりとりはとても不安でした。

英語は中学と高校の義務教育の範囲の知識のみで、

読み書きはできても、まともに話せません。

日本語の通訳サービスはあるのかなど不安でした。

 

これら不安を少なくするために、何をしたか、その結果はどうだったかというと、、

 

1. 治療費

色々と聞いたり調べたりしましたが、

結局、治療を受けて、請求書が発行されないと額はわかりませんでした。

 

ただ、これ、保険によって結果は全然違ってきます。


私の場合、日本では自分の収入もあり、健康保険の心配などした事がなかったため想像するのが難しかったのですが、アメリカでは自分の収入もなくなるので、どれだけ家計に負担になるのかとかなり不安でした。


自分の保険内容を夫と確認し納得して、

んーんん、、まぁこれならアメリカに行ってみても良いかなぁ、、保険料くらいは自分で働いて稼ぎたいなぁ、、と思えました。

 

といった感じで渡米準備を色々進めていく中で、保険の内容をよくよく理解することは

私には非常に大切なステップでした。

 

実際に自分が理解したことは、、

自分が加入する事になる保険は、どんな保険の種類なのか*1、保険料*2カバー内容*3、いつから保険は適用されるか*4、ネットワーク内の医師*5などでした。脚注に詳しく書いたのでご興味のある方はぜひどうぞ!



2. 治療してくれる医師

先生を探すなかで、保険会社のネットワーク内(脚注ご参照)の医師で日本語の話せそうな専門医は見つかりませんでした。

 

はじめに問い合わせした日本語の話せるプライマリードクター(ホームドクターというか一般的な症状だとみてくれる医師)には、2型糖尿病ならみるけれど1型はみれないと言われてしまいました。。

 

この時点でだいぶ心は折れ、もうやんなっちゃうのですが、結果的には、これはとてもよい話でした。今の専門医とプライマリードクターでは全く治療のレベルが違ったと実感しています。

 

最終的にたどり着いたのは(夫がみつけてきてくれたのは)大学病院系列の病院の糖尿病専門医さんでした。

 

日本から本格的に渡米する前に、一度渡米してこの病院と医師をみに行きました。

本当は、渡航費用がもったいないので自分の状況など説明して、継続してみてもらえる確約と高額な治療費用などの確認をして、本格的に渡米したかったのですが、

実際に患者を診てみない事にはわからないと言われ、

あーまぁたしかにそうねぇ、、てことで

自分の心配を取り去るために一度、本格渡米の前に会いに行ってみて、先生もよさそうだし、家からも近いし、設備もきれいだしと、安心してこの方に落ち着きました。

 

今はもう先生が病院を変わられてしまって担当医でなくなったのは残念です。。

この専門医との素晴らしい出会いについては以前の記事にも書いた通りです。

 とはいえ、新しい先生も頼もしいアジア系の女性の医師で、楽しみです。

us1dm.hatenadiary.com

 

 

その最初の訪問の際、日本の先生にお願いして今の治療内容を書いてもらった緑の英文カードを持参しました。先生に事情を話して医師が必要な情報(発症年等)の追記してもらいました。手のひらサイズのこんな簡単なもので良いのか?と不安ながらアメリカに持っていきましたが、事足りました。

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英文カード

 

最後に、専門、専門医と言ってますが、何科かというと、Endocrinologist(内分泌医)です。その専門がDiabetes (糖尿病)です。探す時のご参考になりますように。

 

3.英語

渡米前、無理に英語を話すのはとっとと諦め、自分はリスニングに集中して強化しようと思いました。なので、移動時間があれば、すかさず、NHKラジオの英語プログラムを、かかさず、聞いていました。

 

なぜリスニングかというと、たとえ話せなくても相手の言っていることを理解して、質問についてはYes, Noで答えられればなんとかなると思ったからです。

  

実は私の病院は日本の医療通訳のサービスも受けれるところ(もちろん事前リサーチ済み)で、なおかつ、はじめのうちは夫に病院に付き添ってもらい英語の心配なしでした。

それでも医師やナースの話している内容、自分が聞かれていることについてはほぼ理解できたため、まぁ、日本と聞かれること変わらないし、大丈夫だな、と思えました。

 

しばらくして、一人で通う事になりましたが、医師は分かりやすい英語で話してくれ、多少わからないところがあっても大体の事は今でもYes Noなどで、通訳なしで何とか乗り切っております。乗り切れてしまうからつい甘えて、英語は未だに話せないのが唯一の残念ポイントです。

 

医療通訳サービスについては、少し利用したものの個々のレベルにバラつきがあり、不満が残る事が多かったし、1型の治療に関しては、私は医師が言っていることは大体わかるので、、今は利用はほとんどしていないのが本音です。。

 

それでもたまに通訳を利用するときは、私の言いたい事を英語にして伝えてもらうことがあります。こうして本当に必要な部分だけ通訳サービスを柔軟に利用することもできます。

 

私が疑問なのは、夫がかかった治療(プライマリーや整形外科など)の通訳者は総じて良かったのに、、私の場合は1型糖尿病患者が少ないのがネックなのか、なぜかあまり上手くないこと。通訳者に知識が足りていないように感じています。

 

もしかすると、ただ私のクジ運が悪くて良い通訳者と出会えていないだけかもしれません。。。くじ運悪いから。。

 
振り返ってみると、私は石橋をたたいてたたいて渡ったアメリカでした。
しかも私は最初はアメリカに行く気もさらさらなかったため 見事な消極性発揮する一方、夫は保険の勉強し色々と奮闘、活躍。
 
叩いて壊して渡れない、なんて事にならなくて良かったなぁと、
何はともあれ、夫の力強いサポートと事前準備のおかげで何事も確認して納得した上で渡米する事ができ、今では日本では考えられなかったくらい心穏やかに安心して生活ができていて、夫に本当に感謝しています。
 

それでは今日はここくらいに。渡米準備のご参考になれば嬉しいです。ありがとうございました

 

*1:どんな種類の保険とは?

一般的にはアメリカは2種類の保険、HMOとPPOがあります。駐在員の方は海外旅行保険を使っていらっしゃる方もいるようです。

PPOですと専門医に自分で直接予約を入れられます(私はPPO)。

HMOだと、プライマリードクターに会ってから専門医を紹介してもらう手続きなので、予約が取りにくい、専門医に会うまで1ヶ月は待たなければならないそうです。救急には行けますが、そこで専門医は期待出来ないですね。。腰を痛めた知人はHMOで専門医にすぐ会えないので困っていました。

*2:保険料。毎月、誰がどれだけ負担するのか、大事な話です。

*3: カバー内容とは?

私の保険では、コーペイ、ディタクタブル、アウト オブ ポケット、、などなど知らない言葉がいっぱいでてきまして、最初は困りました。

コーペイは、病院の受付でまず自分で負担して払う金額でした。アメリカでは病院に行ったらまずコーペイを払った後に治療を受けます。その後治療内容に基づき治療費が後ほど郵送などの方法で通知され請求されます。

ディタクタブルは、保険会社のカバーがなくまずは自分で負担する必要のある額です。1年区切りです。

ディタクタブルを満額払った後は、治療費を保険会社がカバー率に基づいて負担、そのカバーされなかった分は自分の負担分として払います。

1年区切りの自分の負担額の累計がアウト オブ ポケットに設定される上限額に達したら、その後、治療を受けても自分で負担することはなく保険会社が払ってくれます。

なのでアウト オブ ポケットの上限額は我が家の家計の想定内の支出に設定されています。

*4: いつから保険は適用されるか?とは?

夫が赴任した当時、すぐに保険に入ることができず、3ヶ月待たなければいけなかったので(その間、扶養家族も当然保険なし)、同じようなケースの場合、備えが必要です。

私は夫が渡米後、何年かしてからアメリカにきたので3ヶ月の待機期間はなかったのですが、万が一、インスリンのストックがなくなる事も考え、少なくとも3ヶ月分くらいはストックを持って行きました。

*5: ネットワーク内の医師とは?アメリカの保険適用範囲(ネットワーク)は医師によって変わります。

自分をみてくれる医師がネットワーク内で自分の保険が適用されるのかどうかで、費用が変わってきます。

自分の保険ネットワークの医師が居住地域にあまりいない、なんて事もあると聞きました。その医師がネットワーク内の医師か保険会社に確認したり、地域にどれくらいネットワーク内の医師がいるのかなど、病院や保険会社への電話や保険会社のwebサイトから確認したりしました。想像力がない私はネットワーク内の医師が近くにいっぱいいるのはわかったくらいでしたが気安め程度にはなりましたw